介護職員の処遇改善に職員の収入を3%程度継続引き上げへ
厚生労働省は2022年1月12日に、収入改善を継続するため、10月以降は介護報酬を臨時改定して対応すると発表しました。
2022年2月から介護職員1人あたりの収入は3%程度(月額平均9000円相当)引き上げる施策を継続し、改定率1.13%増となる見通しです。
この報酬改定により、利用者の負担や一部被保険者の保険料が上がります。
今回は、介護職員の処遇改善で現在、2月から9月、10月以降の介護保険料がどう変化するのかお伝えします。
現状の介護保険制度の仕組みを確認すると・・・
まず、現状の介護保険制度について、簡単に確認してみましょう。
介護保険制度とは、社会で介護を支えあう仕組みです。
出典:介護保険制度について(40歳になられた方(第2号被保険者)向け:令和2年11月版)(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10548.html) 日本語版PDFファイルより抜粋
具体的には、65歳以上の方全員と、40歳から64歳以上までの健保組合、全国健康保険協会、市町村国 保などの医療保険加入者が対象で、加齢に伴う疾病が原因で介護や支援が必要になった際に、一定の自己負担率で介護サービスを受けられるという仕組みです。
出典:介護保険制度について(40歳になられた方(第2号被保険者)向け:令和2年11月版)(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10548.html) 日本語版PDFファイルより抜粋
2022年2月~9月までは国の補助金で補填
2022年2月より介護職員の処遇改善についての費用は、国の補助金で対応し、対象となる職員は138万人分の想定で約1000億円を2021年度の補正予算に計上されています。
介護報酬が改定されるため、サービス内容により利用者の自己負担費用も増加する見込みです。
出典:介護保険制度について(40歳になられた方(第2号被保険者)向け:令和2年11月版)(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10548.html) 日本語版PDFファイルをもとに加工
2022年10月以降の介護保険料金は?
10月以降もこの待遇改善を継続するため、40歳から64歳までの被保険者の
介護保険料が月額70円程度増額され、65歳以上の被保険者の保険料は増額されない方針です。
これまで徴収した保険料の余剰分を積み立てた「介護給付費準備基金」が財源として活用されます。
出典:介護保険制度について(40歳になられた方(第2号被保険者)向け:令和2年11月版)(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10548.html) 日本語版PDFファイルをもとに加工
介護保険の今後は・・・
高齢者人口が一段と増加に伴い必要な介護職員数も増え、補助金や保険料の引き上げで処遇改善していくことに限界も。
介護職員の収入を確保し続けていくためには、ロボットやIT(情報技術)機器を利用して、生産性を上げ人件費を効率的に捻出できる産業へ変革が求められています。
今回の改定による、40歳から64歳までの被保険者が月額70円程度の増額。
サービス利用者の自己負担の増加。あなたは高いと感じますか?安いと感じますか?