わたしたちが日常使っていることばには、本来は間違った用法であるにも関わらず一般的に使われるようになったことばや、誤用が広がった結果「俗用」として国語辞典に掲載がされたことば、また、本来は正しい用法ですが、時代の流れなどで誤用とされるようになったことばなどが多数存在します。
中には無意識で使っているものもあるかもしれません。
今回の記事では、ことばの誤用について少しまとめたいと思います。
【煮詰まる】
意味は 話がまとまって結論に近づく ですが、「行き詰まる」と混同され、本来とは逆の意味で使われることが多くあります。
煮詰まる=煮物調理で煮汁が減って完成に近づく と考えると覚えやすいかもしれません。
【破天荒】
豪快である、大胆である、荒々しい、型破り ととらえているかたが多くいらっしゃいますが、 誰も達成できなかったことや前人未到の偉業を初めて成し遂げること が本来の意味です。
本来は大谷翔平選手などを表現するときにぴったりなことばですが、現代では善のイメージがあまりないことからか、偉業達成の際の使用はあまり見かけません。
俗用として 豪快で型破り と掲載されている国語辞典があります。
【話のさわり】
話のさわり を 話の最初の部分 と誤認識しているかたが多くいらっしゃいますが、実は 話の要点 を指します。
つまり、話のさわりだけ聞かせる は、話のハイライトや見せどころだけを話すということになります。
【確信犯】
本来の意味は 自身の考えや思想などの信念に基づき、正しいと信じて行う犯罪や行為 ですが、一般的には 悪いことだと知りながらわざと行う犯罪や行為 として用いられることが多々あります。
これは本来の意味の「犯罪」という点の印象が強く出てしまったからではないかと言われています。
こちらも俗用として掲載されている国語辞典があります。
【琴線に触れる】
意味は 感動や共鳴を与えること です。
こちらは 逆鱗に触れる と混同され、怒りを買ってしまう と間違った使いかたをされることがあります。
【ご苦労様です/お疲れ様です】
ご苦労様です は失礼にあたる、ということを一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。
これは1980年前後に ご苦労様は目上が目下を労うことば、お疲れ様は双方向で使えることば というルール、いわゆる ビジネスマナー が誕生したために広まった、比較的新しい使い分けです。
本来「労う」という概念自体が目上から目下に向けてのものであることから、ご苦労様・お疲れ様 どちらも「目上から目下を労うことば」となるわけですが、明治から昭和中頃にかけては ご苦労様 が双方向で使えることばとされ、多用されていたそうです。
戦争をテーマとしたおはなしで、部下が上官に向けて ご苦労様であります と声を掛けるシーンを見聞きされたことはないでしょうか。この頃は文学作品においても ご苦労様 が多く登場します。
お疲れ様です は主に芸能の世界で上下問わず挨拶として使用されていたようですが、徐々に一般社会でも浸透し、現代に至ります。
ですので、この ビジネスマナー 誕生前の働き盛り年代の中には お疲れさまです と声をかけられることのほうに違和感があるかたもいらっしゃいます。
とはいえ、すでに定着しているビジネスマナーであること、また、同僚や家族からであっても ご苦労さまです にモヤッとするという声がネット上に溢れていますので、本来は正しい用法であるという情報を探すほうが難しい時代のようです。
現代の ビジネスマナー に則って注意していくのが無難…ということになりそうですね。
【なるほどです/なるほどですね】
なるほど だけだとなんとなく失礼に感じるから、または好意を表現するために なるほどです をビジネスシーンでも使っているかたが多いのではないでしょうか。
なるほど は感嘆詞、つまり「へぇ」や「まぁ」と同じ分類ですので、「です」や「ます」などとの組み合わせは文法的にみると間違いであり、実は敬語にあたらないことばです。
腑に落ちたときや気付きがあった際に なるほど は無意識に発してしまう便利なことばですので使いがちではありますが、厳密には目上への使用はマナー違反ということになります。
なるほどです の言い換えとしては、以下のようなものが挙げられます。
■ 承知いたしました
■ かしこまりました
■ おっしゃるとおりです
■ そのとおりです
■ そういうことだったのですね
などなど…一気に堅苦しくなってしまいます。
「なるほど、承知いたしました」「なるほど、おっしゃるとおりです」とすると、会話らしくなりますね。
【〇〇になります】
「こちらが会議の資料になります」「あちらがお手洗いになります」など、こちらもよく耳にすることばです。
助詞「に」+動詞「なる(成る)」は 何かが変化するとき(おとなになる、中止になる)や結果として役割を果たすとき(参考になる、励みになる) に用いるのが正しいことばです。
ですので「会議の資料になります」は何かが変形して資料になるわけでもこれから資料になるわけでもないため間違い、「お手洗いになります」も何かがお手洗いに変形するわけでもこれからお手洗いになるわけでもないため間違いということです。
これから建設される建物のお手洗い設置場所を指して「あちらがお手洗いになります」であれば正しい用法ですが…そうそうあるシチュエーションではないですね。
【よろしかったですか/よろしかったでしょうか】
特に飲食店を中心に使われることの多いことばです。
間違った用法とは言い切れないそうですが、現在や未来の状況がよいかどうかを問われているとき、「かった」が過去形であるため違和感を覚えるという意見があります。
ルーツは「もしもし、〇〇でした」と電話の受け答えをする北海道や東北の一部地域の方言だと言われていますが、単に よろしいですか と比べるとより丁寧に感じられるために広まったという説、または よいですか を丁寧に言うと よろしいでしょうか ですが、よろしかった の「かっ」(促音)に比べて「しょ」(拗音)のほうが発音しづらい点から使われるようになったというような話などもあったりします。
しかしそうなると、次は よろしかったでしょうか という表現はなぜ??という疑問が生まれます…
いかがでしたでしょうか。当記事が少しでもお役に立つことがあれば幸いです。
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